就労が決まった人にインタビュー(風)!

――8月に就労が内定したSさん、おめでとうございます!
S:ありがとうございます。

――今の気持ちをお聞かせ下さい。
S:これまでいくつかの会社で働きましたが、本格的な就職活動は初めてだったので
  不安になった時期もありました。でも「意外なタイミングで決まることもある」と
  職員の方がおっしゃっていた通り、活動を始めて早いタイミングで就労が決まるとは
  思っていなかったので少しビックリしています。

――通所開始からちょうど1年での内定ですが、どの辺が決め手になったと思いますか?
S:考えると色々ありますが、『安定した通所』が就労するための土台になる点を
  常に意識して健康管理に取り組みました。具体的には朝起きてラジオ体操したり、
  始業前・終業後に体調を職員の方に報告したりしました。おかげさまで“皆勤賞”を
  2回も頂くなど、ほとんど休まずに通所できた点が一番大きかったと思います。

――体調報告されている姿をいつも見かけましたが、やってみてどうでしたか?
S:基礎コース終了時に職員のYさんからアドバイスを受けて始めた時は深く考えて
  いませんでした。でも数値化した体調の状態を先に報告して要因を後から話す
  スタイルが定着し、自然と「結論は先に、経過や理由は後で述べる」という仕事で
  必要なスキルを身に付けた点は本来の主旨に加えて大きな収穫になりました。

――職員の方から「信頼されている訓練生」として見えますが、どう思っていますか?
S:信頼を得るにはまず『安定した通所』を心掛けました。さらぽれで修正したい
  課題は何個かありましたが、自分の力だけで克服するのは不可能だと思いました。
  また安定して通所しないと、職員の方は体調管理の話から次の課題へ
  進みようがないと自分なりに考えました。

――「さらぽれで修正したい課題」ってどんな事でしたか?
S:比較的我慢強い性格ですが、辛い時でも我慢して仕事をこなして疲れてしまい、
  その事を言えなかったため休職した事もありました。さらぽれでは
  異変があったら早めに報告できる事を最大の課題にしていました。

――さらぽれに来て1年になりますが、最大の課題は克服できましたか?
S:職員の方に体調を報告する事などで就労に最低限必要なコミュニケーションは
  自然に向上したと思います。以前は指示を聞くのに精一杯でそのまま仕事をすると
  自分の出来と指示した人の意図がずれる傾向がありました。作業する前に注意点を
  聞いたり、わからなくなったらすぐに聞くなどして対応できるようになりました。

――さらぽれで一番成果を出したと思える事がありましたら教えて下さい。
S:今年の7月に成果発表会に参加して、結果的に就労へ結びついた事ですね。
  「成果発表会で成果を出す」事を通所開始時から目標にしていて、
  どうすれば良い発表になるのかを具体的に考えて、できる事は実行しました。
  おかげさまで見学に来て下さった企業に就労が決まりました。
  (Sさんが作成した記事 こちら

――就労が決まった経緯はどんな感じでしたか?
S:成果発表会後に3社書類を出し、2社面接しました。最初の面接は感触が
  良かったと思いましたが、書類を出した3社と同じ日に落選の通知が来て
  “大脳皮質では納得しても大脳基底核がショックを受けて”寝込みました。
  その翌日に面接があり、気持ちを新たに「人生をかける気持ち」で臨んだ所、
  ありがたい事に内定を得る事ができました。

――20社以上受けている方もいらっしゃる中で、2社で受かったのは凄いですね。
S:私の場合は『ご縁』に尽きますね。面接練習や職務経歴書の作成など
  本格的な就職活動と言える事は初めてだったのでとても不安でした。
  そんな中で職員の方と話し合い、『面接は縁で決まる』という話が出ましたが、
  最悪の場合「訓練期間を過ぎても決まらないのでは」とも内心思っていました。
  ですから比較的早い段階で決まってビックリしているくらいです。

――その『ご縁』についてどう思っているのか教えて下さい。
S:前職を病気で退職した時に今後の就労を考えて、まずは地元のデイケアで
  体調を整える事から始めました。そこで行われていた就労プラグラムで
  さらぽれを見学し、次のステップとしてふさわしい場所だと思いました。
  デイケアで支援者の方に調整してもらった結果、現在に至ります。
  さらぽれ職員の方にはお世話になっていますが、紹介してもらった
  デイケアの方との『ご縁』もあったからこそ内定を得る事ができたと思います。

――さらぽれに来て「ここが一番変わった」というのはありますか?
S:大まかな部分は変わっていないと思いますが、『ハッキリと声を出せる』ように
  なった所だと思います。あとはデイケアの方から「言葉の反応が早くなった」など
  人が変わったとの言葉を頂きました。昔は「感想をどうぞ」と言われると
  すごく緊張して答えるのに時間がかかっていました。日頃の訓練に対して前向きに
  取り組み続けた事で、人間的に成長できたのかなと実感しました。
  
――最後に一言お願いします。
S:そうですね・・・。“就労という山道”を登ったのは自分ですが、さらぽれという
  “シェルパ”がいなかったら無理だったと思います。さらぽれに通所したからこそ
  就労が内定したと思うので、さらぽれの職員・訓練生など『ご縁』のある方々に
  対してはあらためて感謝の意を表したいと思います。
  でも就労する事がゴールではなく、『自立した生活の継続=長く働き続ける』事が
  山頂だと思うので、周囲の人と共存しながら山道を登れるように、
  これからもさらぽれで学んだ事を活かして頑張りたいと思います。
 
  長いようで短い1年でしたが、大変お世話になりました。ありがとうございました!

――Sさん、ありがとうございました。就労先でのご健勝をお祈り申し上げます。

(秋葉原事業所訓練生:背番号35番・S)

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